昔の友
私「雨だねぇ~こぅ毎日雨が続くと、なんだかちょいとノスタルジックな気分になっちまうなぁ」
(ま)「のす?のす?」
私「ノスタルジックだよっ!ノスタルジック!郷愁を誘うってことさ。昔を思い出しちまうんだよなぁ。オイラの昔語り聞きてぇかい?」
(ま)「へぇっ!うかがいやしょう!」
私「嬉しいじゃねぇか。ちと、長くなるけど、覚悟して聞きやがれ。
その昔、オイラがまだまだ青っちろい思春期の頃のことだと思いねぇ。
そのころのオイラは、剣道やっててよぉ。毎日竹刀を振り回して、意外と勉強も真面目にやってて、趣味は絵と読書。友人も多く、まぁそれなりにソツなく生きてたんだよ。
だが、心の中なんてなぁ誰にもわかるもんじゃねぇよな。表面ニコニコ愛想よくしながらも、オイラ、今考えるとホンット、顔から火が出そうだが、まぁ~青くてよぉ。オイラの青さ加減といったら、そんじょそこらの青梅のカチンカチンなんかよりもずっとひどくて、まぁ煮ても焼いても食えねぇたぁオイラのような奴のこったろうな。
親の庇護のもと、ぬくぬくと世間の荒波にもまれたこともなく、ましてや働いたこともない青ちゃんのくせによぉ。デカルトだの、カントだの、哲学の本読んでは、得意になって、世の中を斜に見ている気分になっちゃってよぉ~まぁ今思い出しても、あの頃のオイラ見かけたら後ろからどついてやりてぇくらい不愉快極まりない高校生だったんだな。」
(ま)「・・・・・はぁ・・・」
私「でもさぁ。そんな風につっぱってたオイラにだって、一応、年相応、等身大の悩みや考えってのも、あったわけだよ。だけどさぁ、その頃のオイラのめんどくせぇ性分では、そんなつまんねぇ事を、誰かに相談するなんてことも出来ずに、なんとなく鬱々とした毎日を送っていたんだな。そんな時、無知蒙昧なオイラの元に救いの手を差し伸べるが如く、一人の賢明な友人が現れたんだ。
オイラそいつを誘ってよく散歩に出かけたね。道々いろんな話しをしながら歩くんだ。そいつは何故か?オイラの少し後ろからついてくるんだよ。オイラの話しを静かにうなずいてきいてくれるんだ。いい奴だったよ。そいつに話を聞いてもらうと、なんだか心がスッとするんだ。そいつのお陰で、出会った頃は金平糖のようだったオイラの心の凸凹が何年か経つと、少しづつまぁるくなってきたんだ。そいつはオイラに何も求めない・・・オイラという人間が好きでここに存在してくれている。ただそれだけだったが嬉しかったね。・・・心の友だと思ったよ。」
(ま)「そうでしたか・・・・」
私「しかしな、ある日そいつがオイラの前から突然、姿を消したんだよ。そいつがオイラと知り合ってから、5年目の春のことだったよ。その頃にはオイラも、すっかり灰汁が抜けて、それなりに楽しく毎日を送っていたんだ。
・・・・・・・・あいつは旅に出たんだ・・・・以前から、旅に出たいとは言っていた。だが、オイラは鼻で笑っていた。行くもんか。オイラを残して行くもんか。と、
・・・本当に行ってしまうとは思わなかった・・。置手紙も残さずに。
あいつは旅立ちたかったんだ。しかし、オイラがあいつを必要としている間は、旅立てなかった・・・。あいつの魂は今頃どこをさすらっているのだろう?木曽の御嶽山か?それとも、須弥山か?どこにいるかは知らねぇがきっと、旅の空の下。オイラのことも思い出してくれてるはずだ・・・・・」
(ま)「・・・・そのお人の名前はなんておっしゃるんですかぃ?」
私「ちょびげ・ララヲってんだ。グレーの縞々がイカシタ無口ないい奴だったぜ。今はオイラのそばにはいねぇけど、オイラの心の中で、奴はずっと生き続けているのさっ」
(ま)「・・・・親分。涙が・・・・・」ティッシュの箱を鼻で押す犬
私「ありがとよぉまんぱち。ずびびびびびぃ~」
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コメント
この前のお花見のとき、ヨメの昔話を「ふんふ~ん」と聞いていたのに、じもんちゃんもとんがっていたのね
じもんちゃんが見上げた夜空をきっとララヲちゃんも見上げてるよ
投稿: I畑 ヨメ | 2008年4月10日 (木) 19時00分
今朝、わたしにとってのちょびげ・ララヲ
がいなくなったのを会社の上司に告げられ
ちょっとこの日記はハードです
そうやってだまって自分がここにいる
ことを認めてくれた、彼がもうここに
いないのはとても悔しいです
投稿: 大 | 2008年4月10日 (木) 20時19分
分かります。
自分が大切に思っていた人や動物との突然の別れはなんとも・・・言いがたいものがあります。そこには、本当にいろんな思いが交錯します。悔しい・・とか。なぜ?・・とか、でも、それは今はそのまま味わうしかないんでしょうね~。
「ララヲ」の話しですが、実は自分の中で長年封印してきたものなのです。今にして思うと、自分から話せなかった(放せなかった)
のだろうな~と・・・・時が経って、こうして自分が抱え込んでたものをようやく手放せた今、改めて、感謝の気持ちが沸いてきました。
この出来事から、P氏のおっしゃっておった「一期一会」を私の心の掛け軸にそっと追加したいと思います。その時その時を大切に、やはり人や動物、様々な関わりの中で、いろんなところにぶつかりながら、凹んだり凸ったりしながら、生きていきたいと「じもん」決意を新たにした次第であります。
投稿: もんもんじもん | 2008年4月11日 (金) 06時35分